靴のアドバイス

靴が合わない」のページでは足と靴のサイズについてご紹介しています。
では、サイズさえぴったり合っていればよいのでしょうか?靴が持つべき役割についてご紹介します。

靴の役割

まず、靴が持つもっとも重要な役割は"足の保護"です。
古くは後期旧石器時代にも、足に動物の毛皮を巻いて足を守っている壁画が描かれていました。
日本でもアイヌの人たちは、サケの皮をモカシンのように縫い合わせた靴を履き、足を守っていました。ケガや寒さから足を保護する機能は靴の最も重要な役割なのです。
つぎに、足が持つ機能を助ける役割です。足が持つ機能とは歩行です。
古代ローマ時代には、すでに武器と同じく、靴は軍の装備になっていました。
長い距離を遠征するうえで、疲れにくく、素早く動ける靴は必需品でした。
カリガと呼ばれるその靴(サンダル)は、足首まで足を固定でき、優れた耐久性を持っていました。
いわゆるグラディエーターサンダルと呼ばれるデザインで、ストラップが多く足と靴を固定しやすくし、かつ革紐を足首に巻きつけるような固定方法なので、足首の柔軟性を保ったまま足と靴の一体感を得ることができました。
このおかげで古代ローマ軍は何百キロと離れた土地まで遠征することができたと言われています。
最後に、ステータスシンボル、ファッションとしての役割です。エジプトのツタンカーメンのサンダル、アッシリア、バビロニア、ヒッタイトやペルシャ、ギリシャ、ローマ時代でも靴やサンダルは支配階級、権力の象徴でした。
日本でも奈良時代、平安時代から身分による靴の違いがありました。
このように、他者に対し、自らの地位をアピールするファッション道具でもあるのです。
現代においても靴は服装の一部として足を飾るというファッションとしての大きな役割も持っています。

靴のジレンマ

「足の保護」という役割と「足を助ける」という役割は同じベクトルにありますが、「ファッションとしての靴」は必ずしもそうではありません。
培ってきた靴の歴史の中で足に良いとされてきたデザインと、ファッション要素の高いオシャレなデザインは相いれないことがほとんどです。
これは、どちらが良いというものではなく、使い分けが重要になります。
たとえば、欧米のOLは、通勤時にスニーカーを履き、出社してからパンプスやヒールのある靴に履きかえるそうです。
このように場面場面に合わせて靴を選択できることが、オシャレも楽しみ、足にも優しい靴生活と言えるでしょう。

足に良い靴

「足の保護」という役割と「足を助ける」という役割は一言で「足に良い靴」と言い換えることができます。
では、具体的にどのような靴が足に良いのでしょうか?年齢、疾患、筋量等によって一概には言えないのですが、一般的な範疇でご紹介します。

POINT

  1. 人間の骨格に合った木型:先が細く、尖がった形の木型では外反母趾になりやすくなります。
  2. 天然皮革によるアッパー:天然皮革は柔軟性があるため足になじみやすく、通気性もあるため湿気がこもりにくくなります。
  3. しっかりしたヒールカウンター:踵をホールドする硬い芯材です。普段、目にすることはありませんが、靴の踵を触った時にほかの部分より硬く感じられたらこのヒールカウンターが入っている可能性が高いと言えます。これがなかったり、柔らかいものだったりすると踵が安定せず、余分な負担がかかってしまします。
  4. 適切な厚みのあるソール:2~3cm程の厚みがあると、地面からの衝撃をソール部が吸収してくれます。
    フラットシューズのようなソールの薄い靴はこの衝撃吸収機能が弱いため、踵、足首を通って膝や腰にまで負担がかかるリスクがあります。
  5. しっかりとした靴底:踵が地面についてからつま先が離れるまで、まっすぐに重心移動しているわけではありません。踵(やや外側)→小指側→親指側というパターンで移動していきます。柔らかい靴底ではこの動きの中で靴が捻じれてしまうリスクがあります。
  6. 取り外し可能なインソール:もし最初から入っているインソールが合わない、アーチサポートがないものであったとしても、同じサイズで適切なインソールを作ることができます。
  7. 甲でしっかり結べるデザイン:足と靴の一体感を生み出すためにはもちろん、靴底方向からアッパーを引っ張り上げることによってアーチサポート効果を生み出します。面倒でも着脱の際は靴ひもをしっかり締め直しましょう。
  8. 適度な重さ:上記の要素が盛り込まれた靴を手に取るとある程度の重さを感じるかもしれません。
    しかし、しっかり足のサイズに合った靴であれば、重さは足全体に分散するので手に持った重さを感じさせません。また、歩行時に足の振り子作用を助ける役割も果たします。
    軽い靴はそれだけ柔らかい素材で出来ている可能性が高い、上記のような理由により足を痛める原因になり得ます。

他にもいろいろなポイントがありますが、まず気を付けてほしい8つのポイントをまとめました。
上記のポイントを全て満たす靴となるとデザイン面で限られてしますのも事実です。
靴を楽しむためにも、また足の健康に気を付けるためにも目的に合わせて履き分けることが重要です。